〒354-0042 埼玉県入間郡三芳町みよし台7番地1村田ビル102
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平成12年の法改正で新しくできた制度です。加齢や障害により判断能力が低下してしまった方のサポートをするための制度で、介護保険制度とセットで導入されました。

 種類

 手続き時期

 判断能力の程度

選任機関

 後見  判断能力低下後  欠く常況  家庭裁判所
 保佐  判断能力低下後  著しく不十分  家庭裁判所
 補助  判断能力低下後  不十分  家庭裁判所
 任意後見  判断能力低下前    本人との契約

後見には後見人、保佐には保佐人、補助には補助人、任意後見には任意後見人が就任します。

「後見」「保佐」「補助」は、既にご本人の判断能力低下後にする手続きで、3つをあわせて法定後見と言います。その権限は法律できまっており、後見人等は家庭裁判所で選任されます。

「任意後見」は、ご本人の判断能力低下前に、ご本人が任意後見人予定者との間で個別契約をし、判断能力低下後に任意後見人予定者がその契約の効力を発動させる手続きです。転ばぬ先の杖、などとも言われています。

法定の3つの類型の制度と任意後見の制度の違いで最も重要なのは、ご本人の意思の反映という点です。

法定後見は、その手続開始時に既に判断能力の低下が見られるので、場合によっては、直接ご本人から明確な意思を確認することができないため、ご家族や身近な方からの情報提供によってご本人の意思を推認せざるを得ないということがあります。

それに対し任意後見は、ご本人が判断能力低下前に、自分で契約するので自分の希望を明確にし、任意後見人の方へ伝えることができるという訳です。誰を任意後見人にするか、どこで生涯を終わらせたいか(例:施設○○へ入所契約する)、葬儀の方法をどうするか、等です。つまり自分のライフプランが実行されるよう契約にして託すということです。

後見・保佐・補助の違いについてご説明します。

どの分類になるかはご本人の判断能力の状態によります。

実際の手続きでは、医師による精神鑑定が行われ、その鑑定書を基に家庭裁判所が判断することとなります。家庭裁判所が、医師の鑑定書と異なる判断を下すことは稀です。

「不十分」とか「著しい」とかでは分かりにくいと思いますので具体例でご説明します。以下の分類判断は私の経験からくる個人的見解ですのでご承知下さい。

食品や日用品の買い物も困難であれば後見相当と思われます。日常必需品の買い物はできるけど、必要のない布団を買ってしまう(悪質商法など)のであれば保佐相当と(程度によっては後見)思われます。普段生活に何の支障もないが、近々予定されている不動産売却の手続きに自身がない、というのであれば補助。あくまでイメージです。

同じ保佐といっても後見に近いもの補助に近いものと様々です。最終的には前述のとおり医師の鑑定書が決め手となります。

後見の場合、後見人に広範な代理権・取消権が与えられます。

後見人は本人に代わって、預貯金の管理、介護契約締結、施設入所・医療機関入院契約、不動産売却、税金・各費用の支払い、個別にあげればキリがありません。つまり大体のところはできます。また本人がした契約(悪質商法や不要な契約)を取消すこともできます。

保佐人は法律で定められた重要項目(不動産取引や借金など)について同意権があります。保佐人の同意なしにこれらの取引を本人がしても、保佐人は取消すことができます。また別途申立をすることで、保佐人に個別代理権・個別同意権を与えることもできます(本人の同意が必要)。通常は、法定事項の同意権のほかに個別代理権をつけることが多いです。

補助人は保佐人のように法定で項目が決まっていません。個別に必要な項目に代理権や同意権をつけるように申立をします。

ノーマライゼーション

そもそも成年後見制度の理念は何かといえば、ノーマライゼーション(判断能力がある人もない人も皆、普通=ノーマルな生活を送ること)の実現です。

普通=ノーマルな生活とは何でしょう?

栄養バランスのとれた食事を提供され、入浴により清潔が保たれ、適切な服薬管理がなされるということでしょうか。もちろんこれはとても大切なことです。後見人としては(おそらく多くのケアマネさんも)最も気になるところではあるでしょう。


ここからは職業後見人をやっている私個人の意見ですが。

その人らしく、人として、少しでも楽しく快適な生活を送ること、さらに、もし判断能力の低下がなければ送れていたはずの生活に少しでも近い生活を送ること、それがノーマライゼーションだと思っています。つまり後見人は財産管理(お金を使う)ということで、その人らしい生き方をサポートし、実現していく必要があると思います。

たとえば。

介護職の中には、介護保険限度額内でサービスを入れることが当然だ、という思い込みを持っていらっしゃる方が稀にいらっしゃいます。また介護保険や医療保険でカバーできないことの多くを、「ご家族のお仕事」と決めてしまっている方もいらっしゃいます。

しかし、資産・収入に余裕があるのであれば(もしくはやりくりできるのであれば)、介護保険適用外のサービス(いわゆる自費サービス)をもっと使っても良いのではないでしょうか。(ヘルパーさんや看護師さんに付き添ってもらって)施設入所中や病院入院中でもお墓参りや買い物に行っても良いでしょうし、介護保険枠を超えての介護サービスを受けても良いと思います。

保険外のことは関係ない、それは家族の仕事、家族がいなければ諦めてもらうしかない、そのような本人からの希望は聞き流すもの、という決めつけは残念だと思います。


実際に後見人をやっている身として寂しいのは、積極的なことが何もやってあげられなくなってしまう日が来ることです。たとえば高齢者であれば、加齢(または認知症の進行)により身体能力も低下し(たとえば寝たきりになり)、美味しいものを差し入れても食べることができず、好きな雑誌を読んでもらうこともできず、ただ単調に請求書と預金通帳だけを管理していくだけの後見事務。本人の最期までお付き合いする後見人としては、いつかそのような日が来ることを承知していますので、本人が笑ってくれる、楽しんでくれる、そんな今、お金を使って(時には身体と時間を使って)本人の生活に寄り添いたいと思っているのです。

ちょっと熱く語ってしまいました(恥)・・・。

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