司法書士って何やる人？

「司法書士」の仕事は、あまり広く認知されていないようです。皆さんの印象は大体次のどれかに入るのではないでしょうか。

　①　不動産の登記をやる人（そう言えばマイホーム買う時にそんな人がいたっけな・・・）

　②　会社関係の登記をやる人（会社おこす時に手続きしてくれるんだよね）

　③　「代書屋」さん、書類を作ってくれる人

　④　なんかよく分からないけど、「法」ってついてるから法律関係の人（弁護士とどう違うんだろう）

私自身が司法書士を初めて知ったのは、大学２年生の時です。就職難の折、「将来のために資格とっておかなくっちゃ！」「法学部だから法律関係の資格がいいな！」という気持ちで法律職資格を調べ、司法書士に行き当たったのです。　学生の私は「登記って何？」という状態でしたが、【弁護士は紛争解決・司法書士は紛争未然防止】というちょっと（というか、かなり）極端な資格試験受験予備校のキャッチフレーズに引かれ、司法書士試験の勉強を始めたのでした。

私の父は私が司法書士を目指すことを知り、「あぁ代書屋ね。女性だし、弁護士のような揉め事処理するよりいいんじゃない。」と、これまたかなり極端なアドバイスをくれたものです。前述の③のイメージですね。

司法書士は様々な業務を取扱います。それも、テレビや新聞の向うの出来事ではなく、皆さんの生活に密着した手続きを取扱います。ぜひ司法書士にご相談下さい。

不動産登記

司法書士をご存知の方が一番強くもっていらっしゃるイメージです、不動産の登記をやる人。後述する商業登記ともども司法書士の代表的独占業務です。

国が管理している不動産に関する登録情報（登記簿・登記情報）の書き換え手続きを行います。

具体的には、

売買や贈与での所有者変更
相続時の所有者変更
住宅ローンの抵当を設定、返済した時には抹消

などなど。各手続きの詳細は不動産登記をご覧下さい。

商業登記

不動産登記同様、従来より司法書士業務の代表です。

国が管理している会社（その他法人を含む）の登録情報（登記簿・登記情報）の書き換え手続きを行います。会社は登録情報に変更が生じた時には法で定める期間内（多くは２週間以内）に登記申請をしなければなりません。一部手続きの中には登記がなされないと有効にならないものもあります。

具体的には、

会社新規設立
会社の役員変更（メンバー変更だけでなく任期更新も含む）
事業目的・会社名・資本金・本店所在地等の変更

などなど。各手続きの詳細は商業登記をご覧下さい。

債務整理

これは不動産・商業登記に比べると新しい業務の１つです。本来、後述の裁判事務の１部としてご紹介すべきなんでしょうが、単独で看板をあげられるほど、司法書士業務の中でメジャーになっています。債務整理をすることができる法律家は弁護士と司法書士だけです。（その違いはこちらをご覧下さい。）

債務整理をすることは決して恥ずかしいことではありません。悩んでいるだけでは解決できません。今日、日本では借金が原因で自殺をする人までいるようです。当事務所にご相談に来た方の中にも、男泣きに号泣され「自殺まで覚悟していた」と告白される方もいました。お金の問題で命を落とすなんてことがあってはいけません！相談にこられた方の多くは「もっと早く相談すれば良かった」とおっしゃいます。必ず解決策はあるはずです。専門家に相談して下さい。

各手続きの詳細は債務整理をご覧下さい。

成年後見

これも新しい業務の１つです。

高齢者や障害をもった方の財産管理をするお仕事です。財産管理と言っても資産家の財産を運用するのではありません。（もちろんそういうこともあるのかもしれませんが・・・。）皆さんが高齢や障害により判断能力を失われた時に、施設入所のお手伝いをしたり、空き家の自宅を売却して換金したり、必要な介護サービス契約をしたり、年金の受取手続きや病院施設の費用支払いをしたり・・・、といったことを財産管理と言っています。

大きく分けると、

成年後見手続き（裁判所への申立書類作成・ご相談）→実際に後見人になるのはご親族等
後見人として財産管理をする

２つに分かれます。１つめの書類作成は司法書士の独占業務の裁判事務の一部ですが、２つめの「後見人として財産管理をする」のは司法書士の独占業務ではありません。社会福祉士や弁護士、最近では市民後見人なんて方もいらっしゃるようです。現状では、統計によると第三者後見人（親族でない職業人の後見人）のシェアは司法書士が１番多数を占めています。

詳細は成年後見をご覧下さい。